【税理士が解説】顧問契約で会計事務所は何をしてくれる?1年間のサポート内容を月別カレンダーで公開

こんにちは!墨田区周辺・府中市周辺を中心にスタートアップの企業を支援している税理士の髙橋優介です。
突然ですが、会計事務所と顧問契約を結ぶとどんなサービスを受けられるかご存知でしょうか。
会計事務所は年に1回の「決算と確定申告」だけではなく、日々の数字の管理から季節ごとの税務手続き、将来の経営戦略のディスカッション、そして日常的な税務相談まで、1年を通して手厚くサポートを行っています。
今回は、日本の企業で最も多い「3月決算法人」をモデルケースに、会計事務所が提供する1年間の標準的なサービス内容を詳しく解説します。
顧問契約をお願いしたい、手続きが漏れていることに気が付いた、という方は、お早めに弊事務所またはお近くの税理士にご相談ください。
会計事務所の年間サポート全体像(3月決算法人のモデルケース)
会計事務所のサポートは、大きく分けると「継続的な業務」、「スポットの期限がある業務」、そして必要に応じて行う「随時の業務」で構成されています。
3月決算法人の場合、1年間の標準的な業務スケジュールは以下のようになります。

このように、1年を通じて切れ目なく会社をサポートしています。それぞれの業務でどのようなことを行っているのか、順番に見ていきましょう。
1. 毎月の経営状況を「見える化」する月次業務(記帳・チェック)
月次決算は、月ごとの財政状態を明らかにし、経営管理に役立てるために毎月行う決算のことです。会計期間ごとに行う決算とは異なり、法律により実施が義務付けられているわけではありませんが、会計事務所では顧問先の規模に応じて毎月~数か月に1回のサイクルで月次(四半期)決算を行い、売上や利益を計算します。
月次業務の具体的な5つのステップ
会計事務所と顧問先の間では、月次で次のような作業を行います。
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証憑(しょうひょう)の収集・整理
請求書・領収書・通帳・給与明細など、記帳の基礎となる資料を月ごとに整理します。 -
記帳・仕訳チェック
取引を「いつ・何に・いくら」使ったか会計データ化します。計上された仕訳のチェックや、源泉徴収可否などの税務論点についても確認します。
記帳を会計事務所がするのか(=記帳代行)、顧問先が記帳したものを会計事務所がチェックするのかは、最初の契約時に取り決められます。 -
残高チェック
預金・現金・売掛金・買掛金などの残高が実態と照合できるか、マイナス残高が無いかなどを確認します。 -
月次試算表等の作成
月次試算表や月次の推移表などを作成します。 -
ご報告・アドバイスなど
毎月の損益と財政状態を把握し、専門家目線での気づき事項や課題をご報告します。
月次決算を行う2つの大きなメリット
日々の取引をタイムリーに正しく記録することで、以下の2つメリットがあります。
①会社の状態を「見える化」
年1回の決算に依存していると、年度末の重要局面であっても「1年前のデータ」に頼らざるを得ず、変化の激しい現代市場では判断を誤るリスクが高まります。月次決算を導入すれば、売上・利益・純資産などの重要指標をリアルタイムで把握可能になります。常に最新の生きた情報を軸にすることで、時流に即した的確な経営判断が実現します。
②年次決算の事務負担の軽減
年次決算とはいわば月次決算の積み重ねです。年に1回まとめて記帳するよりも、毎月記帳をすることで決算時の事務負担を軽減することができます。
2. もし忘れたらペナルティ?「源泉所得税」の納付サポート
源泉徴収とは、会社などの支払者が、従業員や専門家などに給料や報酬を渡すときに、所得税をあらかじめ引いて(天引きして)、本人の代わりに国へ納める仕組みです。会社(=法人)は必ず源泉徴収義務者となります。もし納付を失念すると不納付加算税などのペナルティ(罰金)が発生するため注意が必要です。
会計事務所はこの源泉徴収及び納付に漏れがないか月次作業を通じて確認をし、納付のサポートを行っています。
どんな時に源泉徴収が必要なのか
主に個人に対して次の支払いをするとき、税金を天引きします。
・従業員・役員への給与・賞与の支払い
・退職金の支払い
・税理士・弁護士・司法書士などへの報酬
・原稿料・デザイン料・講演料など
・その他個人への一定の報酬・料金
「毎月納付」と事務負担を減らす「納期の特例」
原則として、源泉徴収した税金は翌月10日までに毎月納付します。 しかし、「給与の支給人員が常時10人未満」である一定の源泉徴収義務者は、申請により「納期の特例」を利用できます。
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原則:翌月10日までに毎月納付
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納期の特例:年2回に納付をまとめられます
1〜6月に預かった分 ➔ 7月10日までに納付
7〜12月に預かった分 ➔ 翌年1月20日までに納付
3. 年末から年始にかけて集中する「3つの重要業務」
年末から年始にかけては、以下の集中業務があります。特に②と③は見慣れない書類かと思いますが、実は会計事務所が年始1月末までに作成・提出している書類となります。
① 年末調整(12月)
従業員の毎月の源泉徴収税額を年間で精算し過不足を調整、税務署に過不足額を納付(還付)します。
② 法定調書・給与支払報告書(1月31日まで)
誰にいくら支払ったかを税務署・市区町村へ報告します。
③ 償却資産申告(1月31日まで)
1月1日時点で所有する機械・備品等を市区町村へ申告します。
4. 会社の1年を締めくくる「決算・確定申告」と「決算検討会」
3月決算法人の場合、原則として決算日の翌日から2か月以内(5月末まで)に、申告と納付を完了させる必要があります。
会計事務所では月次の記帳データをもとに決算を確定させて、申告書の作成・提出を行います。
納付に関しては、会計事務所から納税額の連絡を受けて会社が行うこととなります。
決算から申告までの一般的なスケジュール
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4月〜5月上旬(決算整理仕訳の計上)
売上・仕入の期ずれ調整、経過勘定の処理、減価償却、棚卸、引当金、税金などを計上します。 -
5月中旬(決算書・確定申告書の作成)
貸借対照表・損益計算書などを確定、並行して確定申告書も作成します。 -
5月下旬(株主総会・確定決算・申告納付)
決算内容を承認し、法人税・地方税・消費税(課税事業者の場合)を申告・納付します。
確定申告時に提出する主な書類
確定申告時には、主に法人税申告書の添付書類として以下の書類の作成が必要となります。
これらの書類も申告書とあわせて会計事務所が作成・提出します。
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決算書(貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書)
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勘定科目内訳明細書
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事業概況書
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税務代理権限証書 など
未来の戦略を語る「決算検討会」の実施
決算後には決算検討会を開催し、以下の事項をご説明・ディスカッションします。
弊所では顧問料の範囲内で、必ず年に1度検討会を行っております。
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決算数値の概要のご説明
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納税額についてのご説明
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税制改正による翌期以降の納税額への影響についてのご説明
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翌期以降で適用可能性のある優遇税制(節税)のご紹介
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経営・財務・税務上の課題の抽出
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翌期以降の事業戦略
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設備投資計画 など
5. いつでも頼れる「税務相談」と「各種届出」
顧問契約として一番イメージされやすい業務が「税務相談」ではないでしょうか。
しかし、実は会計事務所が最も神経をとがらせて対応しているのが「各種届出」です。
迷ったらいつでも!「税務相談」の活用ポイント
税金に関する手続きや疑問点などについて随時ご相談いただけます。
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よくあるご相談の例
役員報酬の改定、設備投資・車両購入時の取得価額の考え方、優遇税制の適用可否など。 -
ご相談の方法
メール・チャット・オンライン会議を基本とし、相談内容に応じて対面で相談を受けることもあります。 -
実行の「前」にご相談ください
実行後のご相談では、有利不利の検討が間に合わないケースがあります。
多額の設備投資や大きな契約を行う際は、構想段階であっても事前にご相談いただくことを推奨いたします。
会社のフェーズや変化に合わせた「各種届出」の対応
税務上の届出書・申請書は、必要に応じて以下のような届出書・申請書を作成・提出まで対応します。
・法人設立届出書
・青色申告の承認申請
・給与支払事務所の開設・移転・廃止届
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
・棚卸資産の評価方法の届出書
・減価償却資産の償却方法の届出書
・有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出書
・定款の定め等による申告期限の延長の特例の申請書
・事前確定届出給与に関する届出書
・異動届出書(本店移転・支店設置・資本金変動・事業年度変更等)
・適格請求書発行事業者の登録申請書
・消費税課税事業者選択届出書
・消費税簡易課税制度選択届出書
・消費税申告期限延長届出書
設立時に必要な届出書に関して詳しく知りたい方は以下の過去ブログをご参照ください。
【完全保存版】法人設立の流れと手続き完全ガイド!税務・法務・労務の手続きからシミュレーションのポイント解説まで
特に消費税関連の届出書・申請書については、その提出有無によって納税額が大きく変わるケースがあります。
会社の状況に応じて、事前にシミュレーションを行ったうえで、会社が不利にならないよう細心の注意を払いながらサポートしています。
まとめ
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会計事務所は、毎月の「月次決算」から、スポットの「年末年始業務」「決算・確定申告」、随時の「税務相談」まで1年間を通じた継続的なサポートを提供しています。
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日々の記帳やチェックで会社の状態を見える化し、決算検討会では翌期以降の事業戦略や節税対策を一緒に考えます。
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重要な意思決定において税務上の不利を避けるためにも、実行「前」にいつでもチャット等でご相談いただける環境をご用意しています。
いかがでしたでしょうか。このように顧問契約を結ぶことで、年間を通じた様々なサポートを受けることができます。
近年の税制はますます複雑になっており、創業間もない経営者が本業の合間で対応することは不可能に近い状況です。
知らない間に必要書類や納付が漏れていた、、、ということにならないよう、ぜひ専門家集団である会計事務所を頼ってみてください。
参照URL
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国税庁:法定調書(PDF)
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総務省:給与支払報告書(PDF)
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東京都主税局:償却資産申告書(PDF)
【免責】
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